プレミアリーグのスタジアム設備くらべ — 立見席のある16会場と、ない4会場
〜立見席があるのは20会場中16〜No.47プレミアリーグ20クラブのスタジアムを、収容人数と認可された立見席の有無で比べました。設備の充実度は主観になりがちなので、公式に確認できる数字だけで並べています。立見席を持つのは20会場中16です。
「どのスタジアムがいちばん充実しているか」という問いは、答えるのが難しい。
充実度は主観だからです。雰囲気、見やすさ、飲食の質、アクセス。どれも人によって評価が変わります。
そこでこの記事では、公式に確認できる数字だけで並べました。数えられないものは、数えないままにしてあります。
何で測るか
使ったのは2つです。どちらも公的な資料で全20会場ぶん確認できます。
| 軸 | 出どころ | 区分 |
|---|---|---|
| 収容人数 | 各クラブ・リーグの公表値 | 【公式】 |
| 認可された立見席 | 英国スポーツ施設安全局(SGSA)の認可リスト | 【公式】 |
立見席を軸に入れたのには理由があります。設備投資をしないと導入できないからです。
イングランドでは1990年代のヒルズボロの惨事のあと、上位リーグは全席着席が義務づけられました。それが2022年に条件つきで解禁され、レールシート(手すり付きの座席)に改修した会場だけが、当局の認可を受けて立見を認められています。
つまり立見席の有無は、近年その会場に手が入ったかどうかの目印になります。
ランキング
点数は収容人数70点+立見席30点で計算しました。【計算】区分です。読者が自分で検算できるよう、式を公開しています。
命名権の欄は点数に入れていません。 オールド・トラフォードもアンフィールドも企業名は付いていませんが、設備が劣るわけではないからです。参考として並べているだけです。
| 順 | クラブ | スタジアム | 収容人数 | 立見席 | 命名権 | 点数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | マンチェスター・ユナイテッド | オールド・トラフォード | 74,500 | ○ | − | 100 |
| 2 | トッテナム・ホットスパー | トッテナム・ホットスパー・スタジアム | 62,850 | ○ | − | 87 |
| 3 | リヴァプール | アンフィールド | 61,276 | ○ | − | 85 |
| 4 | マンチェスター・シティ | エティハド・スタジアム | 61,038 | ○ | ○ | 85 |
| 5 | エヴァートン | ヒル・ディキンソン・スタジアム | 52,769 | ○ | ○ | 76 |
| 6 | ニューカッスル・ユナイテッド | セント・ジェームズ・パーク | 52,264 | ○ | − | 75 |
| 7 | サンダーランド | スタジアム・オブ・ライト | 48,095 | ○ | − | 70 |
| 8 | チェルシー | スタンフォード・ブリッジ | 40,044 | ○ | − | 61 |
| 9 | リーズ・ユナイテッド | エランド・ロード | 37,645 | ○ | − | 58 |
| 10 | アストン・ヴィラ | ヴィラ・パーク | 37,000 | ○ | − | 58 |
| 11 | アーセナル | エミレーツ・スタジアム | 60,704 | − | ○ | 54 |
| 12 | コヴェントリー・シティ | コヴェントリー・ビルディング・ソサエティ・アリーナ | 32,609 | ○ | ○ | 53 |
| 13 | ノッティンガム・フォレスト | シティ・グラウンド | 31,212 | ○ | − | 51 |
| 14 | イプスウィッチ・タウン | ポートマン・ロード | 30,056 | ○ | − | 50 |
| 15 | ハル・シティ | MKMスタジアム | 24,620 | ○ | ○ | 44 |
| 16 | ブレントフォード | Gtechコミュニティ・スタジアム | 17,250 | ○ | ○ | 36 |
| 17 | ボーンマス | ヴァイタリティ・スタジアム | 12,357 | ○ | ○ | 30 |
| 18 | ブライトン&ホーヴ・アルビオン | アメリカン・エキスプレス・スタジアム | 31,876 | − | ○ | 22 |
| 19 | フラム | クレイヴン・コテージ | 27,782 | − | − | 17 |
| 20 | クリスタル・パレス | セルハースト・パーク | 25,194 | − | − | 14 |
出典: 収容人数は各クラブ公表値、立見席はSGSA「Licensed standing」(2026年1月19日時点)
立見席がない4会場
認可リストに載っていないのは、この4クラブです。
- アーセナル
- ブライトン&ホーヴ・アルビオン
- フラム
- クリスタル・パレス
アーセナルが入っているのは意外に見えます。 エミレーツ・スタジアムは2006年開場で、リーグ5位の収容人数を持つ新しい部類の会場です。それでも立見席の認可は受けていません。
理由は単純で、レールシートへの改修が必要だからです。新しいかどうかではなく、その工事をやったかどうかが分かれ目になります。
逆に、ボーンマスのヴァイタリティ・スタジアムは収容12,357人でリーグ最小ですが、立見席は認可されています。規模と設備投資は、別の話です。
SGSAの認可は39会場
同じリストには、プレミアリーグ以外の会場も載っています。
| 会場数 | |
|---|---|
| 認可された立見席のある会場(全国) | 39 |
| うちプレミアリーグ | 16 |
| ウェンブリー(代表戦の会場) | 含まれる |
39会場のうち16がプレミアリーグ。 残りはチャンピオンシップ以下です。上位リーグほど改修の資金があることが、そのまま数字に出ています。
規模だけでは分からないこと
ここからが財務の話です。
収容人数の順位と、そのスタジアムがいくら稼いでいるかの順位は、一致しません。
デロイトによれば、2024/25シーズンにプレミアリーグ20クラブの試合日収入は£133m(15%)増えて、初めて£1bnを超えました(Deloitte)。増えた理由として挙げられているのは、値上げだけではありません。
スタジアム内での体験を高めた分の追加課金
つまり、同じ席数でも、設備次第で稼げる額は変わるということです。
前に書いたトッテナムの例がそれです。旧ホワイト・ハート・レーンは約37,000人でした。新しいスタジアムは62,850人。席は1.7倍ですが、試合日収入は開場後の数年で倍増しています。席を増やした以上に、1席あたりの単価が上がったわけです。
同じことはアーセナルにも言えます。立見席はありませんが、商業面の設備は充実しており、収益では上位にいます。
「充実度」を数字で測るなら、最終的にはここに行き着きます。 ただしクラブ別の試合日収入は各クラブの決算を1社ずつ当たる必要があり、20クラブ分は揃っていません。揃い次第、財務データベースに追加していきます。
見るときのポイント
- 収容人数と設備の新しさは、別の話(ボーンマスは最小だが立見席あり、アーセナルは5位だがなし)
- 立見席の認可は、改修をやった証。当局のリストで誰でも確認できる
- 同じ席数でも稼げる額は違う。設備の差は試合日収入に出る
- この記事の点数は筆者による計算で、公式のものではありません
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出典
- SGSA(英国スポーツ施設安全局)「Licensed standing」(認可リスト・2026年1月19日時点) https://sgsa.org.uk/regulatory-support/licensed-standing/
- Premier League「What's new for 2025/26: Premier League's 62nd stadium」(公式) https://www.premierleague.com/en/news/4372526/whats-new-for-202526-everton-to-host-62nd-different-stadium
- Liverpool FC「New Anfield capacity confirmed ahead of 2024-25」(クラブ公式・収容人数) https://www.liverpoolfc.com/news/new-anfield-capacity-confirmed-ahead-2024-25
- Deloitte「Annual Review of Football Finance: Premier League Clubs」(試合日収入) https://www.deloitte.com/uk/en/services/consulting/research/annual-review-of-football-finance-premier-league-clubs.html
本記事は個人が公開情報をもとに作成した非公式の解説であり、いずれのクラブ・団体とも関係はありません。点数は筆者が公表値から計算したもので、公式の評価ではありません。
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